私自身、離婚してシンママ(シングルマザー)となり、専業主婦から少しずつ働き始め、現在ではフルタイムの会社員として収入を得ています。
比較的円満な離婚だったこともあり、私自身が主婦から社会復帰するタイミングについて、準備期間も含めて調整することができましたので、その点は元パートナーにも感謝しています。
ですが、離婚を目の前にしたときの大きな不安、死を考えるほどの絶望も覚えていますし、子供たちを抱えてどう生きていったら良いのかという迷いや苦しみが確かにありました。
この記事では、今の日本でシンママ(シングルマザー)やひとり親として暮らしている方たちに関して、経済的な面や社会への受け入れられ方など、統計的な数字も合わせてまとめてみたいと思います。
シンママを取り巻く状況 統計や数字で確認
日本におけるシングルマザーの経済的な困難は深刻な問題であり、統計データがその厳しい現実を裏付けています。
2021年に厚生労働省が出したひとり親家庭についての調査結果を見てみました。
母子家庭となった原因・理由
離婚 | 79.5% |
死別 | 5.3% |
情報として記載されていたのは上記の2つだったので、残りはそれ以外の理由によるものということだと解釈しています。
圧倒的に多いのが離婚ですね。5年前(2016年)のデータと比べても、この比率は変わりませんでした。
シンママの就業状況
シンママ(母子家庭世帯)が就業している割合は、86.3%で、2016年の調査では81.8%だったので、就業率は確実に上がっています。
社会全体として、さまざまな事情を持つひとを受け入れてくれるようになり、シンママも働きやすくなってきているといえるのではないでしょうか。
ひとり親家庭の家計 母子家庭と父子家庭の年収の差
母子家庭の平均年収 | 272万円(5年前 243万円) |
父子家庭の平均年収 | 518万円(5年前 420万円) |
母子家庭と父子家庭で平均年収を比較すると、母子家庭のほうがかなり少ないですね。シンママの場合はどうしても子育てにかける時間が必要で働ける時間が短くなったり、そもそも仕事に就くこと自体が難しい期間があったりするのだろうと想像しています。
こういった生活費にかかわる金額を見ていく際、実際には行政から出る補助や助成金などもありますので、これだけを見て悲観しすぎないようにしたほうが良いと思います。
離婚によるひとり親世帯の養育費の状況
母子家庭で養育費の取り決めをしている割合 | 46.7 % |
父子家庭で養育費の取り決めをしている割合 | 28.3 % |
離婚でひとり親やシンママになった場合、養育費について考えておく必要があります。父子家庭と比べると母子家庭のほうが、養育費の取り決めをしている割合が多くなっています。
ただし、このすべてのご家庭が本当に養育費を受け取れているかというとまた別の問題で、母子家庭のうちで養育費を受け取っている割合は4割以下というデータもあります。数字だけで見ると、養育費の取り決めはしたものの、受け取れていないという事例が確実に存在しています。
養育費の取り決めをしていない最も大きな理由 上位3位
「相手と関わりたくない」 | 34.5 % |
「相手に支払う意思がないと思った」 | 15.3 % |
「相手に支払う能力がないと思った」 | 14.7 % |
離婚を考えるくらいなのでひと同士として合わない部分があるのは想像できます。養育費は子供の健全な成長のために必要な費用ですので、双方が納得できるかたちになっていると良いですが、現状としては難しい場合のほうが多いようです。
自分の場合を思い返してみても、割り切って話し合うことがなかなか難しいことはよくわかります。
このあたりの事情はご家庭によって様々な思いがある部分でしょうし、離婚後の面会等にも関わっているようです。
シンママ家庭の貧困率や非正規雇用の平均年収
ひとり親家庭の相対的貧困率の高さ
内閣府のデータによると、ひとり親家庭の2019年の相対的貧困率は50.8%であり、2021年で44.5%とのこと。ひとり親家庭のうち半分が相対的に貧困の生活水準という結果が出ています。
ではこの「相対的貧困率」というものが何かというと、世帯所得をもとに国民一人ひとりの所得を計算して順番に並べ、真ん中の人の所得の半分に満たない人の割合を指しているそう。
うーん、説明を読んでも具体的な年収などで表現されていないのでいまいちはっきりしたイメージを持てないのですが、中央値にあたる年収のさらに半分以下ということなので、だいぶ厳しい状態にあることだけは想像できます。
母子家庭を世帯数で見ると、この30年間で1.5倍に増えているそう。離婚する家庭が増えているのですからそれはそうだろうと思います。
シンママの働き方 非正規雇用という選択肢
母子家庭世帯のうち80%以上のシンママさんが就業しているにもかかわらず、非正規の場合の平均年収は約133万円とのこと。正社員として働くことができれば年収はもう少し上がりますが、働き方を選べない事情がある場合もあります。
シンママの場合、家のことや子供のことと、仕事を両立する必要がありますから、小さいお子さんがいる場合などはどうしてもフルタイムの正社員として働くことが難しくなります。
また、出産や子育ての際に、(私もそうでしたが)いったん仕事から離れてしまったり、正社員を辞めてしまったりしている方も多いと思います。その状態から再度正社員としての仕事に就くには、なんらかの専門性や資格などがないと難しい場合もあると思います。
さらに、仕事のために専門性や資格を持ちたいと思っても、そのための勉強をする時間をつくることができなかったり、そもそもどんなことを勉強したら良いのかがわからないという方もいるのではないでしょうか。
まとめ 今できることは何か
何かしなくてはいけない、でも何かを始めるための時間をつくることさえできない、という状態で状況を改善できないスパイラルに陥ってしまうことがあります。
私の場合は今は安定して働けていて、投資の勉強をしながら、少しずつ資産運用についても考えていますので、そう悪い状態ではないと思っています。
でも、悩んでも解決策が見つからず、何かがゆっくり悪くなっていくことはわかるのに、それをただ見ていることしかできないという時期が確かにありました。
当時を思い返して今考えるのは、悪くなっていくものを見て見ぬふりでやりすごそうとしても無駄だということです。
不安、焦燥、諍い、悲しみ、苦しみ、ネガティブなものがたくさん散らばっている中に立っていて、ただ眺めているだけで状況が良くなることはないと、わかっているのに何もできずにいました。
私の場合は、勇気をもってひとつずつ拾い上げて、その正体を見つけていく作業が必要でした。時間もかかりましたし、とても大変な作業で、パートナーシップの問題でもあり、私自身の生き方の問題でもあったと思っています。
大変な状況を打開していくために必要なものは、ひとそれぞれ違うと思いますが、当時の自分と同じような悩みを持つ方が、少しでも前に進んでいけることを願っています。