シングルマザー(シンママ)として子育てをしていると、経済的な問題や日常生活の負担は無視できない部分だと思います。実家の親と同居することを考える方も多いのではないでしょうか。
親と同居することで得られるメリットも多いですが、同時にデメリットも存在します。特に、児童扶養手当などの公的支援に関して、同居がどのように影響するかは重要なポイントとなります。
この記事では、シングルマザーが親と同居する際のメリット・デメリットについて詳しく解説し、さらに児童扶養手当の基準についても分かりやすく紹介します。
シングルマザーが親と同居するメリット
まずは、シングルマザーが親と同居することで得られる主なメリットについて見ていきましょう。経済面や育児面でのサポートは、特に重要な要素だと思います。
経済的な負担が軽減される
親と同居することで、住居費や光熱費などの生活費を分担できるため、経済的な負担が大きく軽減されます。特に、家賃やローンの支払いが不要になる場合、毎月の支出が大幅に抑えられることが期待できます。
家計の中で固定費を抑えられることは、節約や家計改善の際に大きなポイントとなります。
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育児サポートが得られる
親が近くにいることで、育児を手伝ってもらえる可能性があります。特に、仕事と育児を両立するシングルマザーにとって、親の協力が得られることはとても心強いのではないでしょうか。子供の送り迎えや病気時の対応など、どうしても手が足りない場面で頼りになる存在です。
子供が体調を崩したときなどは、子供自身が心細いと思いますので、できれば一緒にいてあげたい。でも働いて収入を得ることもシングルマザーの重要な役割と考えると、大切な子供のための時間について迷ってしまうことがあります。
私自身の経験の中でも、子供がつらいときに一緒にいられないなら、なんのために働いているのかわからないという気持ちで、情けないのにどうすることもできずに泣いたことがあります。
そんなときに、親が近くにいて、代わりに病院へ連れて行ってくれるとしたら、子供もママも安心してやるべきことに集中できたかもしれません。
ただ、親が近くにいるからといって、必ずしも支援が受けられるとは限りません。シンママの都合があるのと同じように、親には親の人生があり、親の都合がありますので、協力してもらえるのが当たり前と感じてしまっているのであれば、客観的に自分を見直すことが必要かもしれません。
心理的な安心感
親と同居することで、精神的な支えを得られることも大きなメリットです。特にシングルマザーは、孤立感や不安を感じることが多いですが、親がそばにいることでその孤独感を和らげることができます。
ちょっとした子育ての悩みや心配事ができたときに、すぐ近くに相談できる人がいることは本当に心強いと思います。自分の親に相談でき、精神的な負担が軽くなることもあると思いますので、そんなときは親に対しても感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
親と同居することのデメリット
一方で、親との同居にはデメリットも存在します。生活環境やプライバシー、経済的な自立の問題などを考慮する必要があります。
プライバシーが制限される
親と同居することで、個々のプライバシーが制限されることは避けられません。親世代と子育て世代では、生活スタイルや価値観が異なることも多く、それがストレスの原因となることがあります。
自分の娘が結婚をおしまいにして、シングルマザーになったとあれば、親は心配になってしまうものだと思います。親が過干渉になり、孫である子供の教育や生活の仕方に口を出してしまうこともあるかもしれず、それによって摩擦が生じる可能性もあります。
子連れで同居させてもらえることがどれだけありがたいことであるかを忘れないようにする必要はあると思います。
人間は、近くにあるもののありがたみが薄れてしまうものなので、干渉されることも、うるさく口出しされることも、シングルマザーとなった娘を思っての行動であることは、認識しておくと良いのではないでしょうか。
経済的自立の妨げになる可能性
同居により生活費が軽減される一方で、シングルマザーの経済的自立が難しくなる場合があります。特に、親が支援してくれる環境に慣れてしまうと、自分自身での生活を維持する能力が低下することも考えられます。
同居していることで収入が少なくてもやりくりできてしまう場合もあり、より高い収入を目指す意欲が薄れてしまう可能性はあります。
生活を助けてもらえることについてしっかりと感謝して、それによってどれだけ負担をかけているのか、親の老後資金を食い潰すことにつながっていないかなどは気をつけて考えたほうが良いと思います。
親には親のライフプランがあるはずですので、子供であってもシンママはもう大人なので、親のライフプランのじゃまをすることになるのはよくないはずです。
未来を見据えて、自分と子供の人生設計を考えていくことは忘れてはいけないと感じます。
家庭内の人間関係のストレス
親と同居することで、家庭内の人間関係が複雑化することもあります。育児の方針や家事の分担などで意見が食い違うと、ストレスがたまりやすく、親子関係に影響を与える可能性もあります。
親が子供の育て方に口を出すことで、シングルマザー自身の育児方針が尊重されにくくなるようなことも可能性としては考えられます。
親にとってはシンママさんは大切な娘ですが、予期しないタイミングでの同居によって親の設計を狂わせてしまった可能性もあります。
いつでも自立に向けた努力を重ねていくことは必要だと思います。
児童扶養手当の基準と親との同居の影響
シングルマザーが利用できる支援の一つに児童扶養手当がありますが、親と同居することがこの手当にどのように影響を与えるかについて確認していきたいと思います。
「児童扶養手当」とは?
児童扶養手当ては、ひとり親家庭を対象に、子供の養育費や生活費を補助するための手当です。手当は所得に応じて支給額が決まりますが、所得基準を超えると支給されない場合もあります。「児童手当」とは別の制度です。
- 支給対象 子供が18歳に達する年度末まで(障害がある場合は20歳未満)。
- 所得制限 受給者の前年の所得によって支給額が変わり、一定以上の収入がある場合、手当の一部または全額が支給されなくなります。
親との同居が児童扶養手当に与える影響
親と同居する場合、注意すべき点は所得の合算です。市区町村によって異なりますが、同居している親の所得が合算されるケースがあります。もし親の所得が高ければ、シングルマザー自身の収入が低くても、手当が減額されるか、最悪の場合支給停止になる可能性があります。
親の年金や給与所得が基準を超えると、シングルマザー自身の所得が低くても手当が支給されないケースがありますので、自治体のWebサイトなどで、所得制限について確認しておくと良いかと思います。
収入の増加と児童扶養手当
同居によって生活費が軽減される一方で、シングルマザーが自分で働いて収入を増やすことを目指すと、児童扶養手当の減額または停止のリスクがあります。これは、手当の所得制限に引っかかるためです。したがって、収入を増やすことができても、その分手当を失う可能性があるという点は理解しておく必要があります。
収入が基準を超えると、手当が一部減額されるが、手当の代わりに経済的な自立を図ることはできます。
手当をもらうことを目的に、自分の収入を増やすことを躊躇しているのでは本末転倒です。働けるときには働いて、スキルアップし、収入を増やしていくことで、将来の安心を手に入れてほしいと思います。
シングルマザーが親との同居を決める前に考慮すべきポイント
親と同居するかどうかを決める前に、以下の点を慎重に検討することが重要です。
経済面のシミュレーション
親と同居することで、手当が減額されるのかどうか、また生活費の削減がどれほどの影響を与えるかをしっかりシミュレーションしましょう。同居後の収支バランスを把握し、経済的なメリットが大きいかどうかを判断し、しっかりと相談することが大切です。
親とのコミュニケーション
同居する前に、親と十分な話し合いを行い、家庭内での役割分担や育児方針について合意しておくことが重要です。お互いに納得して同居を始めることで、無用なトラブルを避けることができます。
納得できないままに同居に至った場合に、長くわだかまりが残ってしまうことがあります。時々遊びにいくことと、一緒に暮らすことには大きな差があります。
事前の相談も大切ですが、同居が始まったあとでも、定期的に話し合う時間を持つことで、親とシンママさん双方の気持ちを伝えあって、ストレスを軽減することができるかもしれません。
長期的なキャリアプラン
同居によって一時的に生活が安定する一方で、シングルマザーとしてのキャリアプランを考えることも重要です。親のサポートを受けながら、将来的には経済的自立を目指して、スキルアップや仕事探しに注力することも視野に入れておきましょう。
協力を得られることに感謝して、子供との安定した未来に向けて着実な準備をしていくことは、親にとっても喜ばしいことだと思います。
まとめ
シングルマザーが親と同居することで、経済的・育児面でのサポートを得られる一方で、児童扶養手当の減額やプライバシーの問題など、いくつかのデメリットも考えられます。
親との同居は短期的な解決策になるかもしれませんが、長期的な視点で自分と子供の生活をどう安定させていくかを考えることが大切です。
まずは、親と同居することで得られるメリットとリスクをしっかりと見極め、自分にとって最適な選択をしましょう。そして、将来的には経済的自立を目指して、着実に前進していくことが重要です。