「投資」という言葉に抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、2024年からは新NISAも始まり、「投資をしないひとが損をする時代」になってきたと感じています。
私自身の経験談として、もっとも安全で、実際に私の貯蓄も増やしてくれた「長期積立インデックス投資」についてお伝えしたいと思います。
私も素人なので、経験談としてお伝えしますが、くれぐれも投資はご自身の判断で行なってください。
長期積立インデックス投資の基本
長期ってどれくらい?
長い期間(10年〜数十年)にわたって投資を続けることを指します。なので、数年以内に使う予定のあるお金は投資に回してはいけません。余剰資金をただ銀行に預けているだけの場合には、長期投資を検討してみると良いかと思います。
積立ってどういうこと?
毎月が一般的かなと思いますが、手数料が無料になったこともあり、毎日積み立てているという人もいます。定期的に一定のペースで、決まった額を投資することです。
インデックスってなんのこと?
市場全体に連動する指数(インデックス)に投資するという意味です。個別の企業の株ではなく、例えば「日本全体の株価」や「世界全体の株価」、「アメリカ全体の株価」を指数とする投資信託に投資するということです。
投資って株を買うことじゃないの?
お恥ずかしいですが、私自身、最初に証券会社の口座をつくった頃は、投資は株を買うことだと思っていました。
私は20代前半の頃にネットの証券会社に口座をつくり、失敗も含めて投資の経験はありましたが、その頃やっていたのは個別株投資だけでした。
企業の業績を読み解いたり、四季報の見方などがわかっていない素人が株の売買をすることは、どうしてもギャンブル性を帯びてしまうことは、身をもって知っています。
「長期積立インデックス投資」は、投資初心者にもおすすめできるシンプルでリスクを抑えた投資方法です。難しい知識がなくても、コツコツ続けることでお金を増やすことが期待できる投資法です。
リスクがないわけではありませんが、統計的に見て、長期投資であれば損をする可能性はとても低くなります。
なので、おすすめするのは、ただの「インデックス投資」や、「投資信託を買うこと」ではなく、「長期積立インデックス投資」なのです。
そもそも投資のリスクって何?
ここで説明している「投資」は、証券会社を通して、株や投資信託を買うことを指しています。この投資のリスクについて説明します。(本当は為替や不動産、金やいろんな投資がありますが、ここでは割愛します。)
株の売買をしたことのないひとでも、ニュースや新聞で「株価」の話は聞いたことがあるはずです。
「株価が上がった」「株が下落した」など、株価は日々上下しています。企業が発行している株の値段は、欲しがるひとが多ければ上がるし、誰も価値を感じない場合は下がります。
その動きの中で、売買をして儲けを出すということは、対象となる株を発行した企業の業績や、情勢、そのときの景気や、競合他社との位置付けなど、いろんな要素が関わるため、正確に把握することは難しいです。
その結果、知識のない素人が売買をするということは、ギャンブルと同じです。
20代の私は少ない元手ながら、このギャンブルに手を出していたのはすごいなと思います。しかも、信用取引という、絶対におすすめしないところにも入り込んで、だいぶ授業料を払いました。w(つまりとっても損をした経験があるって意味です。)
投資信託なら素人でも安心なの?
答えはノーです! 投資信託なら安心というわけではありません。まず手数料が高いものは、いくら投資信託自体がプラスになっても、その分を手数料で引かれてしまって、所有している投資家に入る利益が小さくなってしまったり、下手するとなくなってしまったりするからです。
また、上下の変動が大きいものを、高値のときに買ってしまうと、なかなかプラスになることができずに、ずっと損失が出ている状態になる可能性もあります。
初心者が損をしないために必要なポイント
ここで書くのは私が最初に長期積立インデックス投資を始めるときに教えてもらったことです。私はこの考え方だけを教えられて始めましたが、10年ほどでかなりプラスになりました。(コロナの期間を経ているのでかなりマイナスの時期もありましたが。)
信託報酬(要するに手数料)が低い投資信託を選ぶこと
実際に証券会社の口座をつくって、投資信託を見ていくと、本当にたくさんの銘柄があります。その中でまず見ておきたいのが「信託報酬」です。
信託報酬は、投資信託を運用・管理するために投資家が支払う費用で、投資信託を保有している間ずっとかかります。投資信託の種類によりますが、年0.06~2.0%程度があると思っておくと良いかと思います。
その中でも、初心者が買うなら0.5%以下のものが良いと私は思っています。
その投資信託が連動している指数がある程度の幅をもっていて安定していること
指数に連動した投資信託は、業績によって構成銘柄を入れ替えていくことになるので、イメージでいうと、自動的に良い状態になるように、悪くなったものを捨てて、良いものに入れ替えてくれている感じです。
代表的な例でいうと、「世界全体の株価」に連動しているようなものは、対象が広いので安定していると言えると思います。全世界の株価に連動とはいっても、世界経済を引っ張っているのはアメリカなので、実はアメリカ株の割合が高いのですが…。
人気の「オルカン」というのが下記です。信託報酬が安いのが魅力で、0.1%以下です。
▶︎代表的な投資信託 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
成長が続いているものでいうとアメリカの株価に連動している投資信託が人気です。アメリカ経済のS&P500という指数に連動しているもので一番人気なのが下記です。こちらも信託報酬は0.1%以下です。
▶︎代表的な投資信託 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
また、人口が増え続け、中国の人口を上回ったインドの株価に連動する投資信託も人気があるようです。下記あたりがよく見かける投資信託です。信託報酬は0.3%強です。
▶︎SBI-SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド
長期にわたって定期的な積立をしていくこと=ドルコスト平均法
「ドルコスト平均法」は、投資の基本的な手法の一つで、定期的に一定額を投資することやり方です。投資額を一定にすることで、市場の価格変動のリスクを抑え、長期的に平均取得価格を平準化させることができます。
月 | 価格/口 | 購入額(円) | 購入口数 |
---|---|---|---|
1月 | 1,000円 | 10,000円 | 10口 |
2月 | 500円 | 10,000円 | 20口 |
3月 | 2000円 | 10,000円 | 5口 |
上記のように定額で買った場合を3ヶ月の結果としてまとめると…
- 投資額:30,000円(毎月10,000円×3か月)
- 総株数:35口
- 平均取得価格:30,000÷35= 1口 約857円
1000円を基準に、半分になったり倍になったりしていますが、定額で買っていくと、平均すると1000円以下で買えていることになります。
月 | 価格/口 | 購入額(円) | 購入口数 |
---|---|---|---|
1月 | 1,000円 | 10,000円 | 10口 |
2月 | 500円 | 5,000円 | 10口 |
3月 | 2000円 | 20,000円 | 10口 |
価格変動は同じで、上記のように一定の口数で買った場合を3ヶ月の結果としてまとめると…
- 投資額:35,000円
- 総株数:30口
- 平均取得価格:35,000÷30= 1口 約1167円
購入する口数を半分にして5口ずつ買っていたとしても、1口の平均は同じく1167円ですので、定額で買ったほうが低く抑えられるといえると思います。
口数を固定するのではなく、額を固定して定期的に買っていくことで、価格の変動があっても、安いときにはたくさん買えて、高いときには少ししか買わない、という状態にできます。
安いときにたくさん買って高いときに売ることができれば一番良いのですが、安いと思ってたくさん買っても、翌日にはさらに安くなる可能性もあり、そのままずっと下がっていくことも考えられます。
それをずっと追いかけて人間が調整して買っていくよりも、「毎月定額で購入する」という設定だけをして、あとはほったらかしにしておくほうが、手間もかからず、結果的に良い買い物ができてしまうわけです。
そして、オルカンの直近5年のリターン率は+18%だそうです…。ここのところ世界的に景気が良かったので、今後もずっと続く可能性は低いかもしれませんが、同じようなペースで価値が上昇していったとしたら、資産は5年たたずに倍になります。
年利5%の投資商品でも優秀なので、本当にすごいと思います。複利についてもお伝えするとさらにわかりやすくなると思いますので、また別の記事にまとめようと思います。
リスクへの心構えを持つことは必要
良い点を書いてきましたが、投資にはリスクもあります。長期積立インデックス投資であってもリスクがあることには変わりありません。
世界の株価に連動するような投資信託を買ったとしても、世界の株価がずっと下がり続ける可能性だってあるからです。
ハイリスクなものはハイリターンですが、ローリスクなものはローリターンです。リスクを抑えたいのであれば、株に連動した投資信託よりも、債権に連動した投資信託のほうが良いかもしれません。
私が最初に始めたときは、本当に基本のことだけを教えてもらって、とりあえずそれを実践しただけでした。
結果がとても良かったので、それからやっと、もっと勉強しようという気になって、去年あたりから調べたり、情報をまとめたりということをやり始めた程度です。
そんな私でもちゃんと成果につながっていますので、まだよくわからないという方も、学んで始めてみる価値はあると思います。