第50回衆議院議員総選挙 どこに投票すべきかの考え方・小選挙区と比例代表の違い

第50回衆議院議員総選挙 どこに投票すべきかの考え方・小選挙区と比例代表の違い その他

2024年10月27日の投票まで残り1週間。夕方に役所の近くを通ったときに、なんだか普段の雰囲気と違うな…と思ったら、第50回衆議院議員総選挙の期日前投票が行われていたのでした。

すでにどこに投票するか決まっている方も多いかもしれませんが、私の周りでは迷っているような声も聞こえています。そして、18歳で初めて選挙に投票するという子たちは、どういう基準で投票するのかわからなかったりもしそうです。

すでに意志が決まっている方には不要ですが、今回は、衆議院議員総選挙でどこに投票するかを決めるときの考え方を簡単にまとめてみたいと思います。

考え方1 自分の価値観と政策を照らし合わせる

まず、自分が何を大切にしているかを明確にしましょう。どういう国になってほしいかを考えるときに、今の自分や子供たちのために、どういう観点で考えるかを整理してみると良いと思います。

観点の例としては以下のような分野があります。

経済政策

消費税の引き上げ・引き下げ、格差是正、雇用創出など、どのような経済対策が必要だと思いますか? 各党の経済政策を比較してみてみると良いと思います。

外交・安全保障

日本の防衛政策や外交方針については、各党の姿勢を確認することが重要となります。米国や中国、北朝鮮との関係、さらには自衛隊や防衛予算についても各党の見解が異なります。

社会福祉や年金制度

高齢化社会が進む中、年金制度や医療、介護政策に対する各党のスタンスも重要なポイントです。

環境政策

気候変動対策や再生可能エネルギーの普及、脱炭素社会への移行にどう取り組むかも、近年ますます注目されています。

観点整理ができたらどうする?

  • 各政党の公式ウェブサイトや選挙公約(マニフェスト)を確認し、各テーマに対する政策を見比べましょう。
  • 政策ごとに優先順位を付け、あなたが一番重視しているテーマに焦点を当てて整理してみるのも良いと思います。

あくまで参考程度ですが、政党との相性診断などもあります。表示される内容に賛成か反対か、あるいは中立かを選択して進むと、各政党のマニフェストと照らして相性が良いものを教えてくれます。

参考として相性診断をしてみて、どの部分がどんなふうに相性が良いとされているのかなどを掘り下げてみてみると良いかと思います。

▶︎【外部リンク】政党との相性診断

考え方2 小選挙区と比例代表の違いを理解する

衆議院選挙は、小選挙区制比例代表制のふたつの仕組みで行われます。

この仕組みにより、有権者は地域ごとの代表を選ぶ小選挙区制と、政党ごとに投票する比例代表制の両方で投票を行います。これにより、政党の得票と地域の代表の両方をバランスよく反映することが可能となります。

ちょっとわかりづらいので小選挙区制と比例代表制については下で説明します。

ときどき間違ったという話を聞くのは、「比例代表制」のほうかなと思います。政党名を記載するのですが、個人名を記載したという話を聞いたことがあります。

せっかく自分で調べたり考えたりして選挙に行ったのに、書き方を間違えたせいで、貴重な一票が無効になってしまうのは避けたいので、事前に確認しておくと良いかもしれません。

小選挙区制

地域ごと(小選挙区)に分け、その地域ごとに1人の議員を選ぶシステムです。全体の議席数のうち289議席がこの方法で選ばれます。

各選挙区から1名の議員が選出されます。その地域から立候補している候補者を選びます。地元に対する候補者の貢献や姿勢を考慮すると良いと思います。

街中に貼ってある選挙ポスターを参考に、どこの政党のどんな考えを持っている候補者なのかを調べてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、小選挙区制では、ひとりだけが選ばれるため、国の政策や法案を迅速に進めるための強力な政権作りには役立ちますが、少数意見を十分に反映できないという課題があるといわれています。

比例代表制

政党の得票数に応じて議席を配分するシステムです。これは、小選挙区制とは違って、個々の候補者ではなく政党に投票し、その投票結果に基づいて各政党に議席が割り振られる仕組みです。

日本では、比例代表制で176議席が割り当てられています。各政党が得た票数に応じて、議席が比例的に分配されます。例えば、あるブロックで10議席ある場合、政党Aが全体の40%の票を得れば、その政党は4議席を獲得する、というような仕組みです。

少数意見が反映されやすくなるというメリットがありますが、比例代表制では個々の候補者ではなく政党に投票するため、地域ごとの代表者が不明確になることがあります。

政党としては支持しているんだけど、この候補者の考え方や過去にやってきたことは支持できないんだよね…と思っている有権者がいた場合、その考えは反映しづらくなります。

考え方3 第50回衆議院選挙で注目されているポイント

宗教団体との関わりやスキャンダル

与党・自民党は、金融不正や宗教団体との関係を巡るスキャンダルで注目を集めています。新首相は、これらの問題に関与しておらず、クリーンな内閣を目指して透明性を強調しています。

過去のイメージが依然として残っていたり、政治という大きいお金が動く場に関することなので、過去にあったつながりがすぐには消えないように感じてしまう有権者もいるのではと思います。

また、政治資金パーティーのパーティー券収入を収支報告書に記載していなかったなどのスキャンダルが記憶に残っている方もいるかと思います。

経済問題

インフレや生活費が上昇している中、経済問題や、それに関わる政策は重要なポイントです。少子高齢化が加速するなかで、年金問題がどうなっていくのかや、高校の無償化など。

お年寄りにやさしく、長く働きやすく、安心して老後を迎えられる社会を目指すのか、出生率を上げるために子育てしやすい社会を目指すのか…。

もちろんどちらも大切ですが、それらにお金を使うためには、どこかからお金を集める=税金負担を上げる必要があり、そうなると現役世代の負担が上がり、それがまた景気に影響する…。

何事もそうですが、いろいろな問題が相互に絡み合っているので、その中で自分は何に注目して、どんな社会になってほしいのかを想像してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

安全保障問題

国の安全や防衛に関わる様々な課題や政策のことを指します。具体的には、外部からの軍事的な脅威に対する備えや、国際社会における日本の位置づけ、災害やテロなどの非軍事的なリスクからの保護も含まれます。

日本は、アメリカとの同盟関係があり、日米安全保障条約を基盤とした防衛政策を採っています。この条約により、もし日本が攻撃を受けた場合、アメリカが日本を防衛する義務を持っています。この同盟関係は、日本の防衛における重要な柱ですが、アメリカの政策変化や国際情勢によって影響を受ける可能性もあります。

また、自衛隊の位置付けなどをつきつめていくと、日本国憲法についても考えていくことになりますので、憲法改正問題にもつながっていきます。

最近では、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクも安全保障問題の一部として注目されています。インターネットを通じた攻撃は国境を越えて行われるため、これに対する防御策を強化することは急務です。

憲法改正

日本の憲法第9条は、戦争の放棄と武力行使の禁止をうたっています。しかし、近年は、集団的自衛権(他国が攻撃された際に協力して防衛する権利)の行使が限定的に認められるようになりました。

この変化は、日本が他国との協力を強化し、より積極的に国際的な平和維持活動に参加できるようになる一方で、憲法の平和主義とのバランスが議論の対象となっています。憲法改正の議論も、安全保障の観点から今後の重要なテーマです。

自民党は日本国憲法の改正を長年掲げており、改憲を実現するには、議会で3分の2の多数が必要となります。この選挙はその目標達成に向けた重要なステップとなる可能性があります。

まとめ

初めての投票者や迷っている方は、今回記載したようなポイントを考慮し、国内外の問題に対する自分の考えを整理して、どこに投票すべきか、だれに投票すべきかについて考えてみると良いのではないでしょうか。

本当に当たり前のことですが、単純なイエス・ノーではなく、さまざまな問題が絡み当ているので、自分の考えを整理しようとするだけでも大変かと思います。

「投票したところで何も変わらない」というひともいますが、「投票することこそが、何かを変えるきっかけにつながる」のだと思います。

まずは、自分の身近な問題に近いところからでも、少しずつ、調べたり学んだりし始めてみるのも良いのではないでしょうか。

できないことはできない。でも、やろうとしなかったら絶対にできるようにはなりません。

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